七色ライラック




キラキラと輝いて見える。

それくらい、彼女は眩しい。


まるで白いワンピースを着ているような。

まるで太陽に迎え入れられるような。

俺の学校には絶対いないタイプ。


サク女みたいな校則の厳しい学校に通っている彼女を遅刻させるなんて。

なんか犯罪を犯したくらい罪悪感がある。


でもだからってじゃあ今から学校行こうか!なんて、俺には言えない。そんないい人じゃない。


まだ、この時間を終わらせたくはないんだ。




(あ…そういえば)




その一心で思考を巡らせればあることを思い出す。

それは俺のカバンの中に入っている小さなもの。




(チャンス、かも)




彼女にそれを渡す、絶好のチャンス。

それが今かもしれない。




「あの、さ…!」




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