七色ライラック
そう思い至った俺は再び口を開きながら足元に置いてあったカバンに手を突っ込み中を漁る。
コツンと指先にあたった感触に探し物を見つけた俺は、そっと彼女に視線を向けた。
彼女も不思議そうな顔で俺のことを見ていて。
(可愛いすぎるんだけど、その顔)
そんなことを思いながら、俺はカバンの中から取り出したそれを彼女の前に差し出す。
差し出したのは手のひらサイズの宝箱をかたどった透明な容器。
硝子ではないけどそこそこしっかりした作りになってるそれ。
中には色とりどりの飴が入っていて、太陽の光を浴びてキラキラと輝いていた。
「え…これ…?」
多分、びっくりしたと思う。
繰り返しパチパチと瞬く彼女の目。