七色ライラック
どうにか言葉を取り消してほしくてもう一度反論しようと試みたけど、タイミング悪く電車は学校の最寄り駅に着いてしまって。
(最、悪…)
これで嫌われたら本当に立ち直れない。
「そんなこと、ないもん…」
ざわざわと雑音が飛びかう中で小さく小さく零した抵抗の言葉。
それは誰に拾われることもなくシャボン玉のように浮かんで消えた。
この時ばかりは、大切な友人に腹をたてた私は間違っていないと思う。
罪を憎んで人を憎まず、と教えられてきたけど今回ばかりは話が別。
そして同時に沸き上がってきた罪悪感に泣きそうになった。
だって、だって。
私は彼のことが好きなんだから。