七色ライラック




朝はいつも通り電車の中で彼女と会って。

少しだけ、何気ない言葉を交わして。

そんなことに一日浮かれながらもいつも通り学校が終わって。

いつも通り家に帰るつもりだった。


そう。その"つもり"だったんだ。


それが叶わなくなったのは、校門の前に待ち構えていた名前も知らない女たちのせい。

誰だよ、こいつら。


着ている制服から同じ学校の奴らだということだけはわかる。




「カナぁ~一緒に帰ろぉ?」




そう言いながら、いいとも言っていないのに勝手に周りに群がる女。ありえねぇんだけど。


そんな俺の後ろで"東吾ばっかズリー!"とか喚いてるのが聞こえたけど、それもどうでもいい。


っつーか寧ろこいつら全員どっかに連れていってほしい。




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