七色ライラック




そのためには学校の勉強だけじゃ全然足りなくて。

塾に行こうにも紅南生ってだけで白い目で見られるし、バイトをする時間もほしいし。


どうしようかと悩んでいたときに声をかけてくれたのが、近所に住む一つ年上の幼馴染みだった。

俺は去年の暮れから彼に勉強を教わっていたりする。


まぁ…彼女を好きになって、少しは見合う男になりたいと思ったのも事実なわけだが。


理由はどうであれ、とにかく俺に遊んでいる暇はない。一切ない。




(彼女に会う時間は、あるけど)




そこはやっぱり気持ちの問題だと思う。

好きな子に会えば、頑張ろうって気持ちにもなるもんだ。


今ここにいる女たちとは違う。


隣で勝手に喋ってる女たちに感じるのは嫌悪感だけ。




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