七色ライラック




頭からかぶってんのかと思うほど臭う香水にバサバサと重ねられた化粧。

わざとらしく間延びした話し方にイライラする。


なんで真人と直樹は笑いながら相手を出来るのか不思議だ。

鼻痛くなったりしねぇのかな。




(あー…なんか、めちゃくちゃ会いたい)




こんな状態のせいだろうか。

ものすごく、彼女に会いたい。


彼女が取り巻く空気は綺麗で。

透明のようだけど、暖かい日差しにも似ている。


あの空気に包まれたくて仕方ない。




(朝しか会えないとか、そろそろ本気でツライんだけど)




見ているだけの時はそれだけでよかった。


でも、話してしまったから。

触れてしまったから。

もっと欲しいと欲が出てる。


それなのに朝しか会えないとか、本当にキツい。




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