七色ライラック
その証拠に亜実ちゃんの眉間のしわが一本増えた。
「だから紅南生はやめた方がいいって言ったじゃない」
「うぅ…」
そう言って深い深い溜め息を吐く亜実ちゃんに言葉がでない。
休み明けの月曜日。
私は亜実ちゃんにことの全てを洗いざらい話した。
というか話さざるをえなかった。
だってどこからか私が熱を出して寝込んだと聞き付けた亜実ちゃんが、凄い形相で問いただしてきたんだもの。
黙秘権なんて使わせてもらえなかったのよ。
心配してくれてるのはわかったけど、怖いくらいだった。
それから亜実ちゃんはことあるごとに紅南生はやめろと繰り返している。
でも、私がここまで落ち込んでいる理由は彼に言われた言葉が原因じゃない。