七色ライラック




日曜日。


普段なら家でのんびりテレビを見たり、友達とお買い物に出掛けたりしている日だけれど。

今日は公開授業があるため朝から制服に袖を通して学校に来ている。


いつもは乗らない休日の電車に、朝から不思議な気分だった。


今日のことを知ったときは少し面倒だなと思っていたけど、ちょうどよかったかもしれない。

家にいると…いろいろと考えてしまうし。


朝起きてから寝るまで、私の思考を占めるのは彼だけ。


会いたい、会いたくない、会いたい。


そんな相反した思いが頭のなかを延々とぐるぐる回って。眠れない日が続いてる。


最後に聞いた彼の声を思い出すと胸はきつく締め付けられるけど、それ以上に焼き付いているあの笑顔。




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