七色ライラック




(でも、会いたい)




浮いていようがなんだろうが。

少しくらい恥ずかしくったってどうってことない。


もう迷ってなんいられなかった。


だってあの日、彼女は泣いていたから。

俺なんかより、きっと何十倍も傷付いたはずだから。


俺のことを何とも思っていなくても、嫌な言葉にかわりなかっただろう。


わかっているのに知らないふりは出来ない。

それを聞かせたまま離れるなんて絶対に嫌だ。


だから一秒でも早く彼女に会いたかった。

真正面から彼女に向き合って謝って。

ちゃんと気持ちを伝えたかった。


会えるかはわからない。

来てくれるかはわからないけど。


それでも、どうしても会いたかった。




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