七色ライラック
きっと俺からのこんな告白、予想もしていなかったんだろう。
彼女はその大きな目を更に大きく見開いて俺を見ている。
信じられないとその瞳が言っていた。
そんな彼女の表情に、やっぱり嫌われてしまったのだろうかと胸が痛んで。
あぁ、あの日に戻って今すぐ彼女の後ろを追い掛けたい。その手を捕まえたい。
改めて襲いかかってくる後悔。震える唇をぎゅっと噛み締める。
口の中にじわりと広がっていく僅かな鉄の味。
それでも
(伝えたいことがある)
絶対に違えたくない想いがあるから。
痛みだって苦しみだって受け入れると決めた。
深く息を吸って。頭の中で言葉はまとまらないけれど。
それでも想いは確かにここにあるのだから。