七色ライラック
だけど俺の友達はこんな思い笑い飛ばすだろう。
信頼していないわけじゃない。大切な奴らだと思ってる。
だけどそういう奴らであることもまた理解していたから。
雪にだって、彼女がいると知らなかったら多分話さなかっただろうから。
恋愛観なんて人それぞれで。
この言葉に表しがたい想いも、彼女に出会う前の俺ならあいつらと一緒に笑い飛ばしていただろう。
わかっているから、知られたくなかったんだ。
もし笑い飛ばされでもしたら、きっと俺は頭に血が昇って手が出る。
そんな状況にはなりたくない。
「去年の秋ごろから…ずっと、声かけようと思ってたんだ。けど、タイミングとか全然わかんなくて…だから生徒手帳拾ったとき、今しかないと思った」