七色ライラック
その動きの意味を理解した途端、全身から溢れ出そうになる歓喜。
叫び出したい衝動に駆られながらも、ぐっとそれを噛み殺して。
それでも抑えきれなかった想いが彼女に触れる腕の力を強くした。
そんな俺の腕の中で震える彼女。
ぎゅっと小さく俺の服を掴んだその手が、目の前の出来事が嘘ではないと俺に告げる。
バクバクと鳴る心臓の音は俺か彼女か。
いや、多分俺。
だってこんなにドキドキしてる。
「わ、私、一目惚れ、で…でも…みんなダメだって…だけど、私…っ」
そんな俺に追い討ちをかけるように聞こえてくる彼女の声。
俺の胸元で顔を隠すように俯きながらも必死に言葉を紡ぐ彼女が愛しくてたまらない。
その言葉が嬉しくてたまらない。