七色ライラック
(忘れてた)
そうだ。ここ、校門だった。
彼女の言葉が嬉しくて、反応が可愛くてすっかり忘れていた。
しかも彼女の授業が終わるのを待っていたんだから、今はちょうど下校時間の真っ只中。
つまり俺の告白劇は、数えきれないほどのサク女生に見られていたというわけで。
(…は、ハズっ!)
理解した途端顔がカッと熱くなって、引いていたはずの熱が戻ってくるのがわかった。
恥ずかしすぎる。
彼女も同じだったんだろう。
隣に視線を向ければ、彼女は恥ずかしそうに眉を下げ顔を真っ赤に染めていた。
口はパクパクと金魚のように開いたり閉じたり。
(…可愛い…)
そんな姿にまたしても胸がきゅんと高鳴って、さらに熱くなっていく顔。