七色ライラック
「そんで…み、おちゃんは俺の彼女」
だからいいに決まってる。
そう言って、そっと私の手のひらに彼の手のひらが重なった。
そしてしっかりと繋がれる。
ポロリ
その瞬間、堪えきれずに零れた涙。
すっと頬を伝ったそれは、そのまま彼の手の甲へと落ちていく。
彼は驚いたような表情をしながら、繋いでいない方の手で溢れる涙を掬ってくれた。
少し冷たいその温度に涙が止まらない。
(あぁ、どうしよう)
嬉しくて苦しくて。
返事をしなくちゃと思うのに上手く出来なくて。
ぐるぐる思考が回るなか、それでも時間は待ってくれない。
気付けばあっという間に電車は降りなくちゃいけない駅に着こうとしていた。