七色ライラック
真っ直ぐに彼女の目を見つめて。
視線を重ねてそう伝える。
声は格好悪いくらい震えているし、緊張で顔も強張っているかもしれない。
それでも視線は逸らさない。
俺の想いが伝わるように。
誰にも邪魔されることのない数秒間。
その先に、彼女の瞳の奥がふるりと震えたのがわかった。
そして
(…っ!)
ふわりと彼女の瞳が細められる。
まるで幸せを絵に描いたようににっこりと。
柔らかく緩んだ表情に、心臓を撃ち抜かれたような錯覚を覚える。
告白したときのようにドキドキと脈が早くなって顔が一気に赤くなった。
熱い、アツイ。
彼女は俺を殺す気なんだろうか。
こんなにもときめかせてどうするつもりなんだ。