七色ライラック
もうこれでもかってくらい、俺の心は持っていかれてるのに。
それなのに彼女はその言葉一つで、仕草一つで更に俺を魅了する。
「私を…最後の恋人にしてくれますか…?」
恥ずかしそうに眉を下げて、それでも嬉しそうに笑いながらそう言った彼女。
ふわりと花が咲いたようなその笑みに俺の体は熱さを増すばかり。
まるで駆け足で夏がやって来たみたいだ。
照れたように頬を染める彼女が可愛くて可愛くて。
やっと手の届いた俺の"彼女"。
その問いの答えなんて決まってる。
「一生、幸せにします」
そっと彼女の左手をとって指を絡ませる。
二人で顔を見合わせれば自然と溢れる笑み。
この手を離したくないと思う。