七色ライラック
そんな二人とは対照的に、雪はヘッドフォンをつけて寝る体勢に入ってる。
真人たちの気持ちもわかる。
自分達の学校を悪く言われて頭にくる気持ちはわかる。
わかるけど、それでも是非やめていただきたい。
「…相手にすんなよ」
何とか諫めようと小さく二人に声をかける俺。
だって、こんなん彼女に聞かれたら…
俺までそんなふうに思ってると誤解されたら…
(俺、死ねる)
二人を呪うと思う。
「何でだよー!あんなんよりうちの女子のが良くね!?」
そんな俺の心境なんて一ミリも知るはずもなく、うちの女子のがノリいいじゃん!と拗ねたように口を尖らせる二人。
男二人でそんな顔しても気持ち悪いだけなんだけど。