七色ライラック
二人の反応に若干引きながらも軽く溜息を返して俺は横目に彼女を見た。
どうやら彼女の耳にはこっちの声は届かなかったようで。
よかった。
困ったように俯く姿すら可愛いと思ってしまう俺はもう末期かもしれない。
そこでふと真人の言葉が甦り、自分の学校の女を思い浮べる。
うちの女子って…男欲しいガツガツした女ばっかじゃねぇかよ。
みんな同じような化粧して、なんの匂いかわかんねぇような香水つけまくって。
無駄にケバいし。
そんなんより数億倍彼女のほうが可愛い。
(…あー…こっち向かねぇかな…)
あんな女たちと一緒にすんなよ。
「まぁ、うちらには一生縁の無い人たちだからいいんだけどね。うちの学校の生徒が相手にするとは思えないし」