七色ライラック




自分の席に座り、むー…と両腕を組みながら顔を顰めカバンと睨めっこする私。


そんな時。



バタバタバタ




「…美桜ちゃん!!」




突然大きな足音が聞こえてきたかと思うと、次の瞬間には息を切らせたクラスメートが教室に駆け込んできた。

勢い良く開いたせいかバシーンといい音を鳴らした教室のドア。


どうやら彼女はかなりの速度で走ってきたようだ。


しかし、この学校で誰かが廊下を走ってくるなんて珍しい。


一応、周りからはお嬢様学校っていわれてるくらいくらいだから厳しく指導されてたりする。


まぁ生徒の殆どが社長令嬢や代議士、弁護士の令嬢だったりするせいもあるんだけど。


廊下を走るなんて確実に先生から受ける長い説教の対象だ。




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