七色ライラック




でも


"また明日"


彼がその言葉をくれた。




「お礼、しなくちゃ…っ」




家に帰ったらクッキーでも焼こう。

あぁでも甘いのが嫌いだったら?

もしそうだったら困るから少し甘さを控えたものにしようか。

紅茶とかなら無難かな。

それとも定番のバター風味がいいかしら。


明日も必ず会えるなんて、そんな保障はない。

わかってはいるけれど。


それでも"また明日"と言ってくれた彼の言葉を信じたい。




(だって…せっかくの、チャンスなんだもん…っ)




もしかしたらこんなチャンス、二度とこないかもしれないから。


どうかどうか弱虫な私。

今度のチャンスは逃さないで。



そう強く願った少し風の強い火曜日。




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