七色ライラック




すごい。見てるだけだった彼女と会話してる、俺。

っていうか同じ電車だって知っててくれてた。


昨日までは想像もしていなかったこの状況に体が震える。

やばい。嬉しい。


そんな感動を覚えながらも、やっぱり心臓はバクバク音をたてて。


これ以上ここにいたら限界突破するんじゃないだろうか。

心臓が爆発して倒れそうだ。




「あの…じゃあ、また…明日」




暴れる心臓を押さえ何とか紡ぎ出したのはそんな言葉。

明日も話せたらなんて、そんな思いで口にした。


いやでも、なんかこれじゃ俺ストーカーっぽくねぇか?

電車で待ち構えてますっていってるようなもんだろ。


これはさすがに引かれたかも、と言ったあとで後悔する。


だけど




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