七色ライラック
まさかうちの学校の生徒でサク女生と付き合ってる奴がいるなんて思っていなかったから。
しかもこんな身近に。
この学校の生徒は男女問わずサク女を目の敵にしてる傾向がある。
まぁ、お互い様なのかもしれないけど。
だからこそ誰にも彼女のことを言う気はなかったわけだし。
でも雪が付き合ってるというなら是非とも今後の参考までに話を聞きたい。
そう思って雪に視線を向けた。
「人の彼女を"奴"呼ばわりするな」
そんな俺にキッと冷たい視線を向けてくる雪。
久しく見なかったキツいそれ。
雪の目の色に驚きながらも、素直にごめんと謝り改めて質問し直す。
「雪の彼女、どんな人?」
すると雪は一度遠くを見つめた後、ふと口元を綻ばせた。