ロールキャベツ男子の誘惑。
「高橋!」
教室に戻り、ボーッとしていると真上から名前を呼ぶ声が耳に届いた。
「あれ、えっと、」
「男バレの品川だけど」
短髪でさわやかな男の子が一人立っている。
しかも、今「品川」って名乗んなかった!?
「え、品川くん…?」
「うん。いきなりごめん。こないだのこと、ずっと謝れてなかったから」
こないたのこと…?
「先週、高橋にボール当てちゃったんだけど、まさか忘れた?」
若干、困り気味の品川くんにあたしはハッとした。
「あ、いや、忘れてないけど、そんな、もう大丈夫だし!」
「いや、ほんとごめん。あのあと、女バレの子に大丈夫だって言われたけど…さすがに、直接謝んないと気が気じゃなくてさ…」