童貞の恋愛事情
隣人を愛せよ、なんていうけれど
椅子に体重を預け、ため息一つ。体重をのせた反動で、キャスターが後ろへ下がる。
首も後ろへ垂らすと、逆さに立つ新人のひなたさんの姿。
今日も相変わらず、スーツを着こなし、肩で揺れる髪は可愛らしい。
「よしかずさん。コーヒー、どうですか? 紅茶もありますよ」
「あぁ、ありがとう。いただくよ」
事務所はクーラーが効いているとはいえ、現在の外気温は29度。俺には真似出来ない。