番外編 わがままトリュフ
chocolate
只今の時刻日付かわって1時36分
「なんで、クッキーとトリュフなの?」
部屋いっぱいに広がったチョコレートの香りにむせそうになる
できたばかりのクッキーとトリュフをつまみ食いをしながらお姉ちゃんが言う。
「内緒。」
明日(というか今日)は、バレンタインです。
料理が結構、得意なあたしからしたら、
もっと難しいのを作ればいいんだけど
クッキーとトリュフにしたのには、ちゃんと理由があるわけで。
お姉ちゃんになんて絶対言わないけどね。
作ったクッキーとトリュフをキレイにラッピングする。
「できたっ!」
君は、喜んでくれるだろうか?
――…
「ふゎぁぁぁ……。」
朝から何度、あくびをしたことか。
眠いよ、もう。
心地よい電車のリズムが余計に眠気を増す。
となりに座っている彼は呑気に音楽を聴いている
「咲、なんでそんなに眠そうなの?」
「遅くまで勉強してたの?」
「えっ、あ、う、うん」
なんで今日がバレンタインって覚えてないかなぁ
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