番外編 わがままトリュフ

「琉くーん!」

放課後、チョコを持ってきた女の子たちが琉の周りに集まる。
鞄に荷物を詰めながら、その光景をぼんやりと眺めた

「あたし、トリュフ作ってきたの!」

……トリュフ…。

なぜだか無性に傷ついてる自分がいて自分にイライラした
女の子たちが持っている可愛くラッピングされたチョコや、琉の机の横にかかってる紙袋に入ったいくつものチョコに目をやって、虚しくなった。

虚しくなって、作ったチョコレートを持ってあたしは静かにその場を離れた。

「このチョコ、どうしよう…」

あたしがきたのは、だれもいない屋上
琉、今ごろトリュフ食べてるかな…。

「捨てちゃおっかな…」

琉、あんなにいっぱいチョコレートもらってたし。
あたしはほんとに素直じゃない

「俺にちょーだい?」

声がしたほうを見ると知らない男の人。
先輩かな?
首をかしげてそちらに目をむける

「え…。」
「あげる人いないんでしょ?じゃ、俺にちょーだい?」

意味がわかりません。













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