デビルハント
『私、梓ちゃんがそんな子だとは思わなかった。
ずっと親友だったけどもう絶交だよ!
私、嫌になってくる!』
ミナは泣きながらその場を去った。
その時梓は呆然としていた。
ただそこで立ち止まるだけだった。
可哀想だ。
その時の梓の顔は凄く悲しそうだった。
助けてあげたい。
「梓さん!」
真子は名前を呼んだが梓は振り向いてくれない。
そうか、これは過去のことだから、未来を変えることはできないんだ。
それじゃあ、自分はただこの光景を見ているだけ?
しょうがないことだって思うしかないのか。
こんなに近い距離にいるのに、手助けしてあげられないなんて嫌である。
「梓さん……」