吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
アルファの体を的確に弾丸が捉え、埃っぽい白い煙が体を包み、弾が切れると五十連発できるマガジンをチェンジしてフルオート連射。
空になったマガジンの二度目の交換をしてさらに撃つ姿勢をとった黒衣部隊に、ガンマは右腕を横に水平に伸ばして一旦静止させた。
そのとき、一瞬だけ視界が赤くなったのをガンマが訝りながらも口にして疑問視することはなかった。
ただ一人の隊員が「いま視界が赤くならなかったか?」と隣の隊員に尋ねたが、首を捻るだけだった。
「歳を取り過ぎたかな。再生するのに時間がかかるようになってしまった」