吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
その人間の血を吸血鬼が吸うとピコマシンから出る電磁波でシナプスというシグナルを伝達させる神経活動や生命維持に不可欠なミトコンドリアを操作し、体内のタンパク質を誘導して操り人形にする作戦をアメリカ政府が実行して吸血鬼を誘い込むための猟区域も確保済みだというのだ。
元々そのピコマシンはガン細胞を無機質化するためにつくられたマインド・リーダーと名付けられていたものを改良したらしい。
アルファはその話の信用性を疑った。
まず吸血鬼の標本を手に入れないと実験などできず、プロジェクトを進めることはできないだろう。
すでに捕まった吸血鬼がいるのかもしれないが、そんな話は聞いたことがないし、そんな間抜けな吸血鬼がいるとも思えない。