天神学園の奇怪な面々Ⅴ
「随分と手を焼かせてくれたな」

ジャリ、と校庭の砂を踏み締め。

龍娘は生徒達に歩み寄る。

「生徒指導からの逃亡、度重なる指導妨害、校舎の破壊…指導対象としては文句なしだ」

その表情には憤怒の色。

はっきり言って怒っていらっしゃる。

「やばいですねぇ…どうしましょう?」

どこか緊張感のない雰囲気で言う舞白。

(ま、また告ったら先生デレて隙を作れるやろか…でもあらぬ誤解受けるんも嫌やしなぁ…)

密かにそんな事を思うチャーリー。

「……」

可畏が無言のまま一歩前に出た。

再び足止め役を買って出るつもりらしい。

だが。

「!」

そんな可畏の前に、別の男子生徒が立った。

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