天神学園の奇怪な面々Ⅴ
葉月が制服のポケットから取り出したのは、意外にも天神学園の生徒手帳だった。
その校則に関する記載の項目を広げる。
いわゆる不良、札付きの彼には、最も無縁の項目に思える。
「天神学園校則第48条補足…『校則違反を犯して生徒指導に捕縛された生徒は、その日の内に生徒指導から逃れ、学園敷地外に逃れられた場合のみ、その違反を帳消しにする事が出来る』…こいつは本当か?」
「え?」
「何その校則」
雲雀が、リーニアが声を上げる。
そのような校則があるとは知らなかった。
大抵の生徒は、校則の項目になど目を通してはいないだろう。
知らないのも無理はない。
「無論だ」
龍娘は頷く。
「私が生徒指導に就任した時に、戯れに学園長に申請し、追加された校則だ。尤も…」
彼女は薄く笑う。
「いまだかつて私から逃れ、その校則の恩恵に与った者はいなかったがな」
その校則に関する記載の項目を広げる。
いわゆる不良、札付きの彼には、最も無縁の項目に思える。
「天神学園校則第48条補足…『校則違反を犯して生徒指導に捕縛された生徒は、その日の内に生徒指導から逃れ、学園敷地外に逃れられた場合のみ、その違反を帳消しにする事が出来る』…こいつは本当か?」
「え?」
「何その校則」
雲雀が、リーニアが声を上げる。
そのような校則があるとは知らなかった。
大抵の生徒は、校則の項目になど目を通してはいないだろう。
知らないのも無理はない。
「無論だ」
龍娘は頷く。
「私が生徒指導に就任した時に、戯れに学園長に申請し、追加された校則だ。尤も…」
彼女は薄く笑う。
「いまだかつて私から逃れ、その校則の恩恵に与った者はいなかったがな」