天神学園の奇怪な面々Ⅴ
「チャンスが何度も巡ってくると思うな」

龍娘は言う。

「社会に出れば、何度でも機会を与えてくれる訳ではない。たった一度の過ちで信頼を失う事の方が多いのだ。今の内からそういう事を教える為に、私は…」

「容赦なく退学にして生徒を切り捨てるのか?」

葉月の言葉に、龍娘は押し黙る。

だが、再び堰を切ったように。

「校舎を破壊したのだぞ?この学園でなくとも、悪質な行為だと処罰されて当然だと思わんか?」

「ああ、確かに度が過ぎたな。俺でもそうは思うさ。勿論無罪放免って訳にゃいかねぇだろ。だが…」

咥えた煙草のフィルターを噛み潰し、葉月は怒りに吠える!

「壊しても作り直せる校舎と、壊したら二度と戻せねぇ生徒の『可能性』と、どっちが大事だ!」

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