天神学園の奇怪な面々Ⅴ
一体何合繰り返しただろう。

散々拳を交え、両者は一旦離れる。

…もうすっかり日も落ちていた。

どのくらいの時間戦い続けているかも分からない。

葉月も龍娘も、体中に青痣や傷を作っている。

葉月の口元や目尻には出血がある。

龍娘のシニヨンは片方が解け、黒髪が下がっていた。

それらを全く意に介さず、両者は対峙する。

もうどちらが正しいのか間違っているのか、そのような事は些末な事に過ぎなかった。

ただの意地の張り合い。

生徒と教師ではない。

大人と子供でもない。

ただの根競べの様相を呈していた。

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