天神学園の奇怪な面々Ⅴ
その時だった。

「!?」

ズンッッッッッ!と。

地鳴りのような足音と共に、2メートルを超える巨体が龍娘の目の前に立ちはだかる!

「っ……!」

龍娘とてそれ程大柄ではない。

見上げる彼女の前に立っていたのは、人を喰い殺しそうな容貌を持つ浅黒い肌の男子生徒だった。

可畏・ラクシャス(かい・らくしゃす)。

獣臭さえ漂ってくるような、まるで野人の如き男。

これ程の目立つ風貌でありながら、彼の存在を知る者は学園には殆どいなかった。

その彼が、突如として現れて葉月達に言う。

「行け…ここは自分が引き受ける」

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