天神学園の奇怪な面々Ⅴ
…その可畏は、今も生徒指導室で龍娘と対峙していた。
「…名は何といったかな?」
「…可畏・ラクシャスだ…」
寡黙な武人のような風情で、可畏が龍娘を見下ろす。
浅黒い肌、威圧する視線、制服の上からでも分かる張り詰めた全身の筋肉。
そこから繰り出される圧倒的なパワーは容易に予想がつく。
しかし、こんな目立つ容姿をしていながら、可畏の存在は龍娘ですら記憶になかった。
生徒指導という立場上、天神学園の生徒は全員網羅している筈なのに。
「因幡 舞白という生徒は、あれ程男子生徒に人気を誇っていながら同級生にすら覚えて貰えていない程影が薄い…この学園には奇怪な能力の持ち主が多いからな。舞白も何らかの能力を駆使していると思われるが…」
龍娘の視線がより鋭くなる。
「可畏、もしやお前もその類か?」
「…名は何といったかな?」
「…可畏・ラクシャスだ…」
寡黙な武人のような風情で、可畏が龍娘を見下ろす。
浅黒い肌、威圧する視線、制服の上からでも分かる張り詰めた全身の筋肉。
そこから繰り出される圧倒的なパワーは容易に予想がつく。
しかし、こんな目立つ容姿をしていながら、可畏の存在は龍娘ですら記憶になかった。
生徒指導という立場上、天神学園の生徒は全員網羅している筈なのに。
「因幡 舞白という生徒は、あれ程男子生徒に人気を誇っていながら同級生にすら覚えて貰えていない程影が薄い…この学園には奇怪な能力の持ち主が多いからな。舞白も何らかの能力を駆使していると思われるが…」
龍娘の視線がより鋭くなる。
「可畏、もしやお前もその類か?」