天神学園の奇怪な面々Ⅴ
これまた肯定も否定もせず。

可畏の左右の拳が飛んでくる!

至近距離で見ると、まるで巨岩だ。

その風圧に、龍娘の前髪がなびく!

しかし彼女はしっかりと拳を見切り、紙一重の距離で打撃をかわしていた。

(解せんな)

龍娘は訝しげな顔をする。

この力感、このスピード。

可畏は戦闘に関しては相当のものと思われる。

にもかかわらず、龍娘に拳を掠めさせる事もできないとは。

その意図は、すぐに龍娘の知る所となる。

「嘗められたものだ」

ダンッ!と床を踏み締め、大きな構えを取る。

中国の京劇を連想させる構えだ。

「私を倒すのは二の次、時間稼ぎに徹するか」

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