天神学園の奇怪な面々Ⅴ
如何に神の眷属とはいえ、手加減して足止めできると思われているとは。

生徒指導、教師である以前に、武道家として。

この扱いは憤りを覚える。

龍娘は、独特の歩法から。

「っ!?」

瞬時にして可畏の目前から姿を消す。

『活歩』

中国武術に伝わる瞬間移動の如き高速歩法の技だ。

視線を走らせ、龍娘の姿を追う可畏。

そしてその姿を捕捉した時には。

「む!?」

龍娘は既に可畏の下方の死角に!

そんな可畏の顎に、強烈な逆立ち蹴りが打ち込まれる!

下方の死角から顎を蹴り上げる逆立ち蹴り、『穿弓腿』。

可畏ほどの巨体でさえ、この一撃には地響きを立てて倒れた。

「何だ、まさかもうお終いか?」

龍娘は改めて構え直して言う。

「この程度とは…功夫(クンフー)が足りないのではないか?可畏」

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