天神学園の奇怪な面々Ⅴ
「っ…」

可畏はゆっくりと上体を起こす。

流石に巨体に見合うだけのタフさは持ち合わせているらしい。

「ほぅ…やはり立つか」

「無論だ…」

あまり口数が多い方ではないが、可畏は肝心な時には言葉を発する。

「アスラ母上に紡いで頂いた『言霊』でこの世界に生を受けた者として…破壊と滅亡を司る神の名を冠する者として…涅哩底王(ねいりちおう)の異名に恥じぬように…」

天を貫くような勢いで。

可畏は立ち上がる!

「『羅刹天』可畏・ラクシャスは、ここで沈む訳にはいかぬ」

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