天神学園の奇怪な面々Ⅴ
しばらくして。

「失礼しゃーす」

一人の男子生徒が入室する。

御雷 疾風。

21世紀のエジソンを自称する発明バカ。

授業をサボって学園の機械科にこもっては、いつも何やら訳のわからないものを作っている。

先日『12連装杭打ち機』とやらを発明し、そのテスト運用で校舎の壁に線路用の釘のような太い杭を12本打ち込み、めでたく生徒指導にこっぴどく叱られたばかりだ。

続いて。

「失礼します」

入室してきたのは2年のアリスカ・テフレチェンコ。

「む?アリスカ、お前は呼び出していないぞ?」

訝しげな顔をして告げる龍娘の前で。

「あははははっ!先生引っ掛かってやんの!」

蒼い髪のカツラを外し、精巧なマスクを剥ぎ取って、長いウェーブのかかった金髪美女が笑い声を上げた。

円香 雲雀。

変装が得意で、いつも誰かになりすましては悪戯している人騒がせな生徒。

彼女も生徒指導に目をつけられている一人だった。

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