天神学園の奇怪な面々Ⅴ
腰を落として姿勢を低くして。

いつでも攻撃に対応できる構えを取る龍娘。

だというのに。

「!?」

雲雀は踵を返して逃げ出す!

「待たんか!」

追いかける龍娘。

身体能力が高い雲雀は、陸上部員も舌を巻くような速度で校舎の中を走る。

龍娘とて決して足は遅くないが、雲雀に追いつくとなるとそう簡単にはいかなかった。

(くっ…見失う…!)

何度も曲がり角を曲がり、階段を駆け下り。

次第に距離が離されていく。

そしてまた曲がり角を曲がった所で。

「うわあっ!」

龍娘は一人の生徒とぶつかりそうになった。

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