天神学園の奇怪な面々Ⅴ
膝まで届く白髪、光なき瞳。

立っていたのは白神 月だった。

天神学園の生徒会長。

人望厚く、生徒にも教師にも全幅の信頼を置かれる才媛。

「どうしたんですか龍娘先生…廊下を走るなんて感心しませんよ…?」

柔らかな笑みを湛えてコロコロ笑う月。

「……」

龍娘は険しい表情で月を見る。

まさか彼女は雲雀の変装…?

雲雀の変わり身は素早い上に精巧だ。

並大抵の観察眼で見破れるものではない。

「…どうしたのですか龍娘先生…物凄い威圧感…」

流石の月もその只ならぬ雰囲気に気づいたのか、僅かに表情を曇らせる。

…どうやら彼女は『本物』のようだ。

「すまない、ちょっと人を探していてな」

龍娘は警戒を解いた。

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