天神学園の奇怪な面々Ⅴ
その隙に。

「あはははははははっ!」

廊下の突き当たりまで距離をとった雲雀が笑った。

顔は血塗れ、顔面崩壊のまま。

今すぐにでも病院に搬送すべき程の重傷だ。

「い、いかん円香!動かず安静にしていなければ…」

オロオロする龍娘。

「あら、優しいのね先生。ご心配感謝するわ。でもね」

雲雀は笑みすら浮かべて、精巧に出来たマスクを剥ぎ取る。

その下に隠されていたのは、いつもの美貌、傷一つ付いていない雲雀の素顔。

「掠り傷一つ負っていないのよね、これが」

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