天神学園の奇怪な面々Ⅴ
キィンッ!

まるで金属製の刃のような音が響く。

女生徒の爪が床を叩いた音だ。

龍娘は咄嗟の判断で、その凶器と化した爪を間一髪回避していた。

「…随分と物騒なものを持っているんだな」

龍娘は顔を上げる。

「ええ?エイラン・リーニア」

「あら…」

龍娘に名を呼ばれ、女生徒…エイラン・リーニアも立ち上がった。

「私物検査には引っかからない筈ですよ?私のこの爪は付け爪ではなく自前…自在に出し入れできる、私の体の一部ですもの」

鉤爪のようになる、リーニアの両手の爪。

その切っ先はアイスピックのように鋭く、その切れ味は石をもバターの如く滑らかに両断できる代物だった。

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