天神学園の奇怪な面々Ⅴ
龍娘が目を見張る。

変貌したリーニアの動きは、それまでとは段違いだった。

それまででも十分な高速の動きだったというのに、今では最早目にも止まらぬ速さ。

知覚出来ないうちに龍娘の背後をとり。

「っ!」

殆ど本能的にしゃがむ事で、何とかリーニアの爪を回避する事ができた。

「あら凄い。見えてないのにかわしたんですね」

歌うようなリーニアの声。

振り向くと。

「っ…」

そこにリーニアはもういない。

「鍛え上げた人間の五感って凄いわぁ」

既に龍娘の背後を取っている!

「くそっ!」

振り返り様に後ろ回し蹴りを放つ龍娘。

その蹴りさえも。

「造形美と機能美を兼ね備えた美脚…惚れ惚れするわぁ…」

リーニアは軽い跳躍で回避していた。

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