蝉時雨
「あまいわ!!」
まるめられた冊子が私の頭をはじいて、
ポコッと音を立てる。
「痛った~い!!!
なんで叩くの!!!」
「だったらおとなしく
追加課題を受け取りなさい」
「‥‥‥‥嫌です」
「じゃあ、瀬戸内。
お前は明日から特別補習決定だ。
遅刻厳禁、もちろん欠席もなし」
「え!!それはもっと嫌!!
追加課題するから!!
特別補習はやめてください!!!」
腕組みする数学教師の山ちゃんに
駆け寄ってき付く。
涼ちゃんが帰ってきて4日目の朝。
私は学校に来ていた。