蝉時雨
京介を馬鹿にしておきながら
実は私もばっちり補習組だったんだけど、
涼ちゃんがいるのに
補習なんて受けてる場合じゃない!
という理由で休み続けた結果、
(涼ちゃんのことだけじゃなくて
ただ単にめんどくさかったってのもあるけど)
とうとう今朝、呼び出しをくらってしまった。
「ったく。ほれ!!
ちゃんと自力でやってこいよ」
「‥‥‥はぁーい」
渋々山ちゃんに差し出された
追加課題を受け取る。
プリントに並ぶ難しそうな数式に
まだ解いてもいないのに頭痛がする。
ぼそぼそと文句を垂れていると
「あっ、そうだった」と山ちゃんが
何か思い出したように声をあげた。