蝉時雨
「~~~典子おばちゃん大好き!!」
「ふふふ。私もよー!」
涙目で駆け寄り、
思いっきり抱きついた私の頭を
おばちゃんが優しく撫でた。
「誰もいなくて退屈だろうけど、
冷蔵庫にケーキが入ってるから
食べてね。
京介の部屋のものも自由に使っちゃって
いいからね」
「うん!いってらっしゃい。
気を付けてね」
「ありがとう。いってきます」
そうして鍵を受けとり、
典子おばちゃんを見送ると
私は京介の部屋へ向かった。