蝉時雨




小さな子供をあやすような
優しい柔らかなハグ。

きっと彼女を抱きしめる時とは
違うんだろう。





涼ちゃんはやっぱり
残酷で、優しい。











「――――――‥‥っ」





涼ちゃんの腕の中で
恥ずかしいくらい声をあげて泣いた。







私が泣き止むまで
撫でてくれたおっきな手は、
暖かくて愛しくて

切なくて胸がきゅっとなった。






ー蝉時雨 5日目 ENDー
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