蝉時雨









それから家に帰って、
また再度にらめっこを開始したものの
進まない問題集を放棄して
ソファーに横になっていた。





家には私しか居なくて、
聞こえるのは扇風機の羽音と
庭先のセミの声


風に揺らされて、たまに鳴る風鈴の音



なんだか、静かだ。






ぼーっと天井を見つめながら
さっきの京介の言葉を思い起こす。









涼ちゃんは明後日帰ってしまう。




明日は
涼ちゃんと居られる最後の日。



でもこんな状態じゃ
楽しく過ごすのは無理そうだ。

















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