蝉時雨





「はぁ‥‥‥」



壁にかかった時計を見ながら
ため息をつく。

そして部屋の中をうろうろ。





もうずっと前から
同じことを繰り返している。












「~~っあーー!!もうっ!!」


苛立ちと焦りで
ぐしゃぐしゃと頭をかく。





せっかく丹念に巻き上げた髪が
崩れていく。

これじゃあ台無しだ。









今日は涼ちゃんと居られる
最後の日だっていうのに。






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